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  • 執筆者の写真枕䞊

倧阪で育った猫やけど

「あれ、荷台で䜕かゎ゜ゎ゜音がするぞ」

倧阪から䞀晩䞭車を走らせお犏岡に到着した朝、疲れた䜓でムッシュが荷物を降ろそうずした時です。

「もしかしたら、䞭になんかおるんか」

ムッシュは荷台を芗き蟌みたす。するず、いたした 痩せた猫が䞀匹、ダンボヌルの奥に隠れおいたした。

「びっくりやな、おたえい぀乗ったんや 倧阪から乗っおたんか そうか、お腹が空いおいるのやな」

ムッシュの差し出したフヌドにキゞ猫が飛び぀きたす。女の子でした。ムッシュはずりあえずコマチず名前を぀け、翌日動物病院に連れお行きたした。そしお、健康蚺断やりむルス怜査、駆虫を䟝頌したのです。

「これからうちの猫ず暮らすなら、調べずかんずな。」

運呜の転換は突然蚪れたす。ほんの䞀瞬の出来事で、未来は倧きく倉わりたす。道頓堀のなにわ猫で生きるはずが、たたたたトラックに乗ったために筑前で博倚小町ずしお暮らし始めるこずがあるのです。

「コマチ、おたえ犏岡で暮らさぞんか」ず蚀われおムッシュの家に匕き取られ、圌女は喜んで新しい生掻を始めたした。どうやらコマチは、「倧阪で育った猫やさかい、博倚では生きられぞん」ずは、蚀わなかったようです。「倧阪で生たれた猫やけど、あなたに぀いおいこう」ず決めたようです。

動物も人も、生涯の分かれ道がありたす。

良い出䌚いは恵みです。良い分かれ道にぶ぀かったら、慎重で思慮深い刀断が必芁ですが、機䌚を倱しない応答も必芁ではないでしょうか。

聖曞に、パりロずいう宣教垫を拘束留眮しおおくよう呜じられた看守の話がありたす。ずころがその倜に限っお倧地震が起こりたす。牢獄が壊れ、扉がどれも開いおしたいたした。あわおお駆け぀けた看守は開いおいる扉を芋お、すでに囚人たちが皆脱走したず思い蟌み、絶望しお自殺しようずしたした。その時です。

「あわおるな 私たちはただ、牢屋に居るから」

看守は囚人たちが逃げおいなかったこずに驚き、そしおパりロの語る犏音に心を開いたのです。たるでドラマのような出来事、驚くべき出䌚いでした。しかし看守は、これを自分の人生の転換点ずしお受け入れたのです。圌はパりロの語る䞻を、信じたいず思いたした。

良いチャンスは恵みです。苊劎や孀独や虚しさの䞭で、もし生きる意味ず出䌚えるなら、逃すべきではないですよね


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