• 渕上

大阪で育った猫やけど

更新日:4月3日

「あれ、荷台で何かゴソゴソ音がするぞ!?」

大阪から一晩中車を走らせて福岡に到着した朝、疲れた体でムッシュが荷物を降ろそうとした時です。

「もしかしたら、中になんかおるんか!」

ムッシュは荷台を覗き込みます。すると、いました! 痩せた猫が一匹、ダンボールの奥に隠れていました。

「びっくりやな、おまえいつ乗ったんや? 大阪から乗ってたんか? そうか、お腹が空いているのやな!」

ムッシュの差し出したフードにキジ猫が飛びつきます。女の子でした。ムッシュはとりあえずコマチと名前をつけ、翌日動物病院に連れて行きました。そして、健康診断やウイルス検査、駆虫を依頼したのです。

「これからうちの猫と暮らすなら、調べとかんとな。」

運命の転換は突然訪れます。ほんの一瞬の出来事で、未来は大きく変わります。道頓堀のなにわ猫で生きるはずが、たまたまトラックに乗ったために筑前で博多小町として暮らし始めることがあるのです。

「コマチ、おまえ福岡で暮らさへんか?」と言われてムッシュの家に引き取られ、彼女は喜んで新しい生活を始めました。どうやらコマチは、「大阪で育った猫やさかい、博多では生きられへん」とは、言わなかったようです。「大阪で生まれた猫やけど、あなたについていこう」と決めたようです。

動物も人も、生涯の分かれ道があります。

良い出会いは恵みです。良い分かれ道にぶつかったら、慎重で思慮深い判断が必要ですが、機会を失しない応答も必要ではないでしょうか。

聖書に、パウロという宣教師を拘束留置しておくよう命じられた看守の話があります。ところがその夜に限って大地震が起こります。牢獄が壊れ、扉がどれも開いてしまいました。あわてて駆けつけた看守は開いている扉を見て、すでに囚人たちが皆脱走したと思い込み、絶望して自殺しようとしました。その時です。

「あわてるな! 私たちはまだ、牢屋に居るから!」

看守は囚人たちが逃げていなかったことに驚き、そしてパウロの語る福音に心を開いたのです。まるでドラマのような出来事、驚くべき出会いでした。しかし看守は、これを自分の人生の転換点として受け入れたのです。彼はパウロの語る主を、信じたいと思いました。

良いチャンスは恵みです。苦労や孤独や虚しさの中で、もし生きる意味と出会えるなら、逃すべきではないですよね!


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