子どもでも大人でも、いつだって学ぶのは大切です。教えてもらいながら成長します。たとえば「牧師さんと神父さんはどう違うの?」と聞かれ、大人だってうまく答えられる人は少ないのです。
思い返せば、私の職場に就職して来たばかりのタマちゃんもそうでした。
「タマちゃんは新人でよくわからないだろうから、とりあえずカルテに患者さんの名前と住所だけ書いて下さい。」
「はい、かしこまりました。」
さっそくやって来たハンサムな青年を前に、彼女は緊張しながら聞き取りを開始します。
「では、飼主さんにお尋ねします。初めておいでですか?ではお名前をお聞かせください。ありがとうございます。・・・え?あなたはこの犬の飼い主ではなく、お友達の犬なのですか?そうですか・・・ではその本当の飼い主さんの名前を教えてください。
はい、ありがとうございます。その方のご住所をお聞かせください。え?この犬は飼い主さんの家ではなく、あなたの家に居るんですか?そうですか・・・えーと、それではあなた様のご住所をお願いします。
はい、ありがとうございます。・・・え?でも今は、その飼主さんも一緒にすんでおられるんですね。そうか・・・えーと・・・」
こうしてタマちゃんが準備してくれたカルテをもとに診察をしました。
そしてその後で私は彼女を呼んで、こうお願いした。
「タマちゃん、カルテではこういう場合、飼主の住所欄は『○丁目○番地○○様方』と書くんだよ。決して『○丁目○番地○○様と同棲中』とは書かないんだからね。」
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